出張先で、同僚と二人になった夜
34歳 · 女性 · 約4分
編集部制作 — 実話かどうかは、想像にお任せします
何年もただの同僚だった人。大阪出張の夜、ホテルで「俺なら?」と聞かれた瞬間から、いつもの距離ではなくなりました。
同じ会社に8年いましたが、彼を男性として意識したことは一度もありませんでした。
年齢が近くて、仕事ではよく組んでいました。
彼女の話も聞いていたし、私の恋愛相談もしていました。
その年の秋、二人で大阪へ出張することになりました。
仕事が終わって食事をして、ホテルへ戻りました。
彼は8階、私は10階。
8階でエレベーターのドアが開いたのに、彼は降りませんでした。
「降りないの?」
「もうちょっと飲まない?」
コンビニで買ったお酒を持って、私の部屋に入りました。
最初は普通に飲んでいました。
でも、なぜか昔の恋愛の話になりました。
「30過ぎると、好きだけじゃ付き合えなくなるよね」
と言ったら、
「俺なら?」
と聞かれました。
冗談だと思って、
「あなたはない」
と言いました。
彼は笑いました。
でも、そのあと急に静かになりました。
彼がベッドの隣に座りました。
肩が触れました。
「本当にない?」
今度は笑っていませんでした。
翌朝、目覚ましが鳴ったのは7時でした。
最初に見えたのは、床に落ちている彼の腕時計でした。
その隣に私のジャケットがありました。
彼は隣でまだ寝ていました。
昨日まで何年もただの同僚だった人です。
先にシャワーを浴びました。
戻ると彼が起きていて、
「おはよう」
と言いました。
「……おはよう」
二人とも、ちょっと笑いました。
結局二人でホテルの朝食を食べ、そのまま取引先へ行きました。
東京へ戻る新幹線でも、昨日の話はしませんでした。
それから半年くらい、私たちは誰にも言わずに会っていました。
会社では同僚。
外では、それとは少し違う関係。
彼が転職するとき、最後に二人で飲みました。
「大阪行かなかったら、こうならなかったね」
「たぶんね」
それから一度だけキスして別れました。
今は彼も結婚しています。
私も別の人と暮らしています。
ただ大阪へ出張するたび、あのホテルの前だけは今でも少し歩くのが遅くなります。
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